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事業概要

Business summary

具体的な内容

その1 : 革新的な試作品開発•生産プロセスの改善の具体的な取組内容

①事集者の現状の取組み内容

当社は溶接して使用する特殊なボルトであるスタッドボルトのうち、CDスタッドと呼ばれる製品に特化して製造を行っている事業者である。CDとはCapactitor Dischargeの略で100Vもしくは200V電源から本体内のコンデンサに充電し、スタッドと母材の間で瞬間的に放電させて溶接する方式である。従来、ボルトやナットを溶接する作業は熟練を要する手数のかかる仕事であったが、CDスタッド溶接なら溶接ガンのスイッチを押すだけで簡単に溶接することが可能である。また、資格や下穴、補助材料もガスも不要で、一瞬でボルトやナットを溶接することができる。さらに1/1,000~4/1,000秒で溶接が完了するため熱影響が少なく、簿板の母材に最適である上、従来の手溶接のように焼けとり、サンダがけなどの後処理加工の手間がなく、クリンチングのように下穴を開ける必要が無いため、表面の美観を損ねることもない。ここがスタッドボルトの最大の利点であり、当社のボルトは直接的に人目に触れることになる各種の操作盤等において広く利用されている。

操作盤の裏側に取り付けられている当社のスタッドボルト

操作盤の裏側に取り付けられている当社のスタッドボルトである。溶接により取り付けられているため、表面の美観を損なうことが無い。また、いったん溶接すればその後の点検や交換は不要であるというメリットもある。

通常のボルトによる締結の場合、母材に穴をあけてボルトを通すことになり、表面にポルトが飛び出してしまうことになる。これだと表面の美観を損なう上、特に屋外での使用を前提とすると、下穴の部分から内部に水分等が侵入してしまう可能性がある。また、特に雌ネジのスタッドポルトの場合はスペーサーとしての機能を期待することもできる。

当社が製造しているCDスタッドポルトは、スタッドガンを用いて溶接される。この手軽さもスタッドボルトの特長の一つであるが、ここではそのスタッドガンの性能が溶接の精度を左右することになる。当社はスタッドボルトの製造に加えスタッドガンの輸入販売も行っているが、当社の販売品を含め、国内で流通しているスタッドガンの大半は海外製品であり、性能の面から疑問符がついてしまうことが多々ある。当社はこの点に着目し、国内製の高品質で精密なスタッドガンの製造に着手しようとしているところである。

②課題及び取組む理由

スタッドボルトの溶接は、背面の飛び出している部分を母材に押し当て、スタッドガンで放電することにより行われる。この放電はスタッドガンの内部のコンデンサに充電した電気エネルギーを使用して行うものであり、そこではスタッドガンの電極の形状やコンデンサの状態が非常に重要になってくる。

コンタクト方式

スタッドポルトの溶接の様子である。放電により一瞬で溶接できるところにスタッドボルトの利点があるが、この溶接の精度を担保しているのはスタッドガンの物理的な形状である。

当社のスタッドボルトは主に工作機械に使用されており、操作パネル周りをはじめ、工作機械の各所に使用されている。このスタッドボルトを取り付けるのがスタッドガンであり、工作機械メーカーの製造現場等において使用されている。近年、製品の品質に対する要求が厳しさを増しており、それに対応してスタッドボルトの溶接に関する精度も厳しくなってきている。特にスタッドボルトの場合、溶接してしまえば今後の交換等が不要であるという利点がある一方、当初の溶接の精度が悪くても看過されがちであり、問題が生じて初めて溶接に不具合があったことが判明する、といったような問題が発生しうる。スタッドボルトの利点を最大限引き出すためにはこの溶接を正確に行いうる担保が必要であり、そのためスタッドガンの品質が重要となってきている。

スタッドガン

スタッドガンはこのような形状をしている。この先端にスタッドを差し込み、放電することにより溶接を行うという仕組みになっている。当社は本事業において、溶接の精度を直接的に左右する先端部はもちろん、その周辺部や樹脂製の外装まで全て開発することを目指している。

スタッドガンは先端部にスタッドを差し込み、先端部がスタッドボルトを覆い隠すように押し付け、放電することにより溶接を行う。先端部は真鍮製であり、この先端部がスタッドガンの口の中で前後に動くようになっている。これにより、スタッドボルトを覆いこみ、母材に押し付けるという動作が可能になっている。

先端部分とスタッドガン本体の口部分の形状精度

スタッドガンにおいて特に重要なのがこの先端部分とスタッドガン本体の口部分の形状精度である。すなわち、口部分の径と先端部分の径がぴったり一致しておらず、例えば口部分の径の方が大きけれぱ、先端部分がスムーズに動作できず、十分な溶接精度を発揮できなくなる。一方、口部分の径が小さすぎると、押し当てたときに先端部分が十分スタッドガンに入り込まなくなり、放電時に十分な電気と熱が先端部分に伝わらず、不十分な溶接となってしまう可能性がある。高品質な溶接を実現するためには、先端部分の形状と口部分の形状、さらにいうとその嵌合精度について、極めて高い水準が要求されている。また、押し当てた時の先端部分の移動は、スタッドガンの内部に配置されているバネ部品に依存しており、溶接の精度という意味ではこのバネ部品についても高い精度が必要である。

現在、当社はスタッドガンについて2タイプ考案中である。それぞれ部品点数は60点~70点程度になり、それぞれの部品の製作図面を作成するのにも多大な時間が必要となっている。当社はそれぞれの部品を設計し、試作し、組み立てを行ってスタッドガンを開発しようとしているが、それぞれの部品について素材や形状が全く異なるため、試作に多大な時間が必要となってしまっている。

スタッドガンの試作品の分解図

スタッドガンの試作品の分解図である。これらも現時点での予定であり、今後、試作と検証を重ねていきながら、部品の形状等が少しずつ調整していくことが必要である。

溶接の精度を左右するのが口部分と先端部分の形状精度、及びバネ部品の精度である。本事業のスタッドガンは、市場からの品質に対するニーズに対応するため、従来の溶接精度が2/10mm程度であったところ、1/10mm以下を実現できる高性能品として開発することを予定している。さらに、溶接部分のクオリティを高めることにより、スタッドガンとしての耐久性を従来品の2倍にまで伸ばすことを考えている。これらを実現するためには、各部品の形状精度は 1/100mm以下を達成している必要があると考えている。

スタッドガンBの部品表

スタッドガンBの部品表である。現在、部品の形状等についての見直しを進めている。製造コストと管理コストの観点から、部品の共通化を進めることとしており、最終的にはここからさらに点数が減少する予定である。

本製品は工作機械の製造現場で使用されることが想定されている。工作機械は製品によってはミクロン以下のレベルでの加工を実現しうるものであり、その精度を確保するため、工作機械を構成する部品について高い精度が要求される。

スタッドガンの品質の問題が原因

スタッドガンの品質に問題があると、例えば左のように溶接時に発生する熱が大きくなりすぎ、母材を焦がしてしまうという問題が生じうる。こうなってしまうと裏面にわずかな歪みが生じてしまい、製品の形状に支障をきたすることになる。右のようにきれいに溶接できるようにすることが必要であるが、そのためには先端部分や口部分の形状精度が妻求される。

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